0.はじめに
新学期が近づき、後輩たちに向けて、学生生活を送る上でやっておいたほうがいいことをお伝えする機会が増えた。
なかなか卒業できずに入院生活が長引き、数々のライフハックがサバイバルスキルと化してきたからだ!
そこで、色々振り返りつつ、やっておいて良かったことを実体験を交えて記録しておこうと思う。
1つ目に紹介するのが学生保険。
一発目として書くネタとしては、だいぶ地味。
だからこそ見落としがちだし、とてもタイムリーだから書いておきたい。
1.学生保険ってなに
さて、新入生が3月中に手続きすべき書類の中に、必ず!「学生保険の加入」に関する案内が混ざっている。
新入生じゃなくても学期途中での加入は可能だ。
私も、卒業が伸びて中途半端な時期に加入したことがある。
途中加入の場合は掛け金の額が変わるので確認してから支払いすればよい。
学生保険は、学生が安心して学業に専念できるように、病気やケガに備える保険だ。加入の窓口は各大学によって違うと思うが、学生生協、学生支援関係の課の近くにパンフレットが置いてあるはずだ。
まず、学生保険には種別が3つある。
「学研災」及び「学研賠」に加えて付帯でつくものだ
実験やフィールドワークを行う学科では絶対に入るようにと指導されているはずだから知っている人も多いだろう。
以下、ざっくりと説明する。
詳細は、ちゃんと資料をもらってきて読んで欲しい。
もう大人だから契約書は、ちゃんと読もうね。でもね、フォント5ポイントくらいの文字サイズでびっしり、支払いできるものできないものとか書かれてる。視力が落ちたら読むの辛いなって思ってるよ。
1)学生教育研究災害傷害保険(略称:学研災)
「学研災」は、学生が「教育研究活動中に不慮の事故によって被った傷害」に対する救済制度である。これは、本人の正課活動(授業や学校行事など)や正課外の活動(課外活動や部活動など)、あるいは学校施設内で過ごす時間や通学中など、学生生活を遂行する際の不慮の事故によるケガ等に備える保険である。
2)学研災付帯賠償責任保険(略称:学研陪)
学研災が本人に対する保険であったのに対して、「学研賠」は相手方への補償になる。正課・正課外及びその往復移動中に、他人にケガをさせたり、他人の財物を損壊したことで被る法律上の損害賠償の補償を指す。
学研災の付帯でつくものもあれば、単体で学研賠に加入するものもあるようだ。
この2つは、まっとうに大学/大学院生活を送っていれば、ほとんど強制的に加入しているはずだ。じゃないと、危なかっしくて、実験したりフィールドワークしたり(大学が承認している)インターンシップに送り出せないからだ。
実際に、課外活動を行う講義で、学研災と学研賠への加入が義務付けられているものをいくつも確認している。
3)学研災付帯学生生活総合保険(略称:付帯学総)
そして本題は、これ。学研災に付帯する学生生活総合保険だ。
「付帯学総(ふたいがくそう)」と略される。
「付帯」なので、学研災に加入している人が追加で加入できるタイプのものだ。+αのトッピング。学研災が教育研究活動中の補償であるのに対して、付帯学総をつけると24時間ケガや病気、賠償事故などを補償してくれる。
「保険金お支払い例」をみてほしい。
https://www.web-tac.co.jp/personal/univ/example.html
カゼを引いても通院1日分にかかった費用を出してくれる。
自転車が盗難されて、どん底の気持ちのときにも少し出してくれる。
などがある。
2.「付帯学総」って入ったほうがいいの?
では、これは入ったほうがいいのか。
お悩みポイントは、
1,これ元取れるか?
2,同封チラシの大学生協の保険と何が違うんか?
3,別で生命保険(あるいはスポーツ保険など)入ってるんだよね
あたりだと思う。
私の場合、回答はYES。
特に、社会人学生は「付帯学総」は入っておいた方が良いと考えている。
その判断材料を説明する。
圧倒的に保険料が安いから
保険料は各学校向けの窓口があり、パンフレットにも「◯◯大学学生向け」と記載されている。(団体割引 30%適用!とか書いてあるあれだ)
私の場合は、独立生計タイプで1年間14,780円だった。月額1,231円だ。
4年間だと48,050円となっていた。1年毎払うよりずっと安い。まとめて払っておいたほうがいいと思う。
通院でも申請できるから
大学生協の学生生活総合共済保険でも、同様の保険が出ている。
CO-OP学生総合共済
https://kyosai.univcoop.or.jp/guidance/index.html
学部生用と院生用に分かれていて、内容もかなり充実している。また、こころの不調の相談でも1年間に1万円の補償が出るなど学生の要望に応えて改善している保険だ。→こころの相談の年間1万円は安いかもしれないけど、研究生活で疲れて誰かに相談に行きたいときに行っても良いんだよという後押しになるかもしれないから、これはいい制度だなと思ったりもした(「こころの早期対応保障」)。
また、ケガや病気で、通院・入院すると実費以外の負担は意外とある。例えば移動費など(タクシーを使ったりすることはままある)。こうした大きい補償を望む場合は、大学生協の保険を選べばよい。どっちも入ってしまってもよいけど、二重取りはできない。
あるいは、スポーツ保険を平行して加入している人は、そっちで申請を出せばよい。
ただ、これらの保険は、ケガの通院などには手厚い補償があるが、例えば風邪を引いたなどの通院に対しての補償は出ない。
これに対して「付帯学総」では、通院や入院でかかる費用、処方された薬の実費の補償がある(※2)。
私がこれまで申請したのは、風邪を引いてしまって咳がコンコンするとか鼻詰まりがひどくて寝付けないというような1日で通院が終わるようなケースから、思いがけず通院日数がかかってしまうようなものまでありました。
新型コロナウイルス感染症にかかってしまったり、身体中に原因不明の発疹が出てしまったり、耳かきしすぎて耳が炎症したり!
研究生活はストレスとの戦いなので、、原因不明の不調が起こることはよくあります。受診して薬をもらった方が早く良くなる場合もありますよね。
年間で見ると、保険料と同額程度の補償がある年もあったように思います。
ただし、持病や歯医者さんの通院では申請できません。
確定申告で控除対象になるから
社会人学生や博士課程の学生の多くは、すでに独立生計となり確定申告を行っているハズ。そのとき、付帯学総は保険料控除対象となります。
■保険料控除について
学研災(通学特約・接触感染特約を含む)、付帯賠責、付帯海学は、保険料控除の対象とはなりません。付帯学総は保険料控除の対象となります。
JEES学研災NAVI(https://www.jees.or.jp/gakkensai/daigaku.htm)
3. おわりに
というわけで、付帯学総はコスパが良いので、環境の変化で風邪を引いてしまうような人は入っておいたほうが良い。
逆に、これまでの毎年の通院医療費が上記の額には到底及ばない健康体の人、確定申告の控除があまりメリットにならないような人、アルバイトとかインターンシップなどをしておらず他人に迷惑をかける時間が圧倒的に少ない人(例えば、家と研究室を徒歩で往復あるいは家で論文執筆しかしてないような人、、、、あれ?私、なんで入ってるんだろう?)は、その額きっちりつみたてNISA増額した方がいいかもしれない。
いずれも、保険料の払込日翌日午前0時から補償が開始される。加入するなら、いつ何があるかわからんから間髪あけずに加入しておくべしだ。
手続きは、淡々と済ませて、安心して学生生活を送りましょう!
注
※大会等の規定を確認し、特定の保険加入が義務付けられていない場合には、同種の保険加入証の提示によってクリアできる場合もある。したがって、一概に競技継続が保険の複数加入に結びつくわけではない。ここで記述したのは、私が参加したものがそうだったというだけのことである。
※2 これは、もちろん適切に処理した場合の話であって、申請があまりに遅かったり書類不備があったり規定に沿わないなどがあれば減額されたり支払われなかったりする旨の記載がある。
参考サイト
JEES「学研災」NAVI
https://www.jees.or.jp/gakkensai/daigaku.htm
東京海上日動「付帯学総 保険金お支払例」
https://www.web-tac.co.jp/personal/univ/example.html
大学生協:CO-OP学生総合共済
https://kyosai.univcoop.or.jp/guidance/index.html
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